車道と歩道を隔て、車両事故発生時の危険から歩行者を守る。それが、ガードパイプに課せられた重要な使命です。
しかし、暮らしに密着した身近な存在だからこそ、歩行者の視点で見た時に、いくつかの問題もありました。そのひとつが、生活安全性。
従来のパイプにはボルトなどの突起物が多く、歩行時にそれらに接触したり、衣服を引っ掛けることで怪我を負う危険性があったのです。同時にそれは、街の景観を損なう一因にも。ガードパイプから突起を極力なくすために、ボルトを受けるナットをパイプの内側で留める仕組みができないだろうか。
大下産業は、お客様企業の担当者からのアイデアを形にするための検討に着手。手の届かない場所にナットを固定するだけでなく、施工性も確保する。
一見不可能にさえ思えるテーマに対し、お客様とともにトライアル&エラーを繰り返して辿り着いたのが、まったく新しいナット保持装置「ナットロケーター」でした。
これを内部に施工することにより、パイプ上面の突起を完全になくしたフラット構造を実現。また、あえてナットの固定に遊びを設け、ボルト接合時のズレに対する許容幅を上げることで、施工性も大幅にアップ。さらに、パイプ端部のナットロケーターには反射部材を一体化させ、夜間の視認性まで高めています。
このナットロケーターを用いた新型ガードパイプ「Gp-N」は、公共物としては異例のグッドデザイン賞を受賞。既に各自治体への導入が始まっています。